現場最前線

事業概要

<佐陀川>
松江市鹿島町恵曇地先から松江市鹿島町佐陀宮内地先において、概ね10年に1回程度の確率で発生する降雨による洪水に対して家屋等の浸水被害を防ぐため、河道改修を行います。
今回工事は、佐陀川広域河川改修工事として『既設武代橋』の架け替えに伴い、(仮称)新武代橋の橋脚1基の施工を行うものです。
(仮称)新武代橋は橋長41.8m、道路幅員6.75m、歩道2.5mの橋です。
橋脚工事は仮桟橋工事、橋脚基礎工事、橋脚躯体工事に分かれています。仮桟橋工事は河川内で施工を行うことから航行船舶への配慮が必要となります。橋脚基礎工事は鋼管矢板井筒基礎という基礎形式が採用されていますが、鋼管矢板の打込み、品質管理に高い精度が求められます。橋脚躯体工事はコンクリートの耐久性が求められ、それぞれに工夫をしながら順次施工を進めています。

:新武代橋 橋脚1基を施工します。

仮桟橋工での工夫

仮桟橋は河川上へ設置するため、作業足場の確保が難しくなります。また安全上もしっかりとした足場としなければなりません。そこで、鋼製フロートの利用や桟橋支持杭の間隔に合わせ作業用足場を製作し足場を確保しました。足場はスムーズな移動設置にも配慮しており、作業性も向上しました。
また鋼管矢板打込み時の三点式杭打ち機と大型クレーンの配置計画を3DCADを利用してシュミレーションを行い、安全性、施工性、工期を考慮した仮桟橋形状を計画しました。
仮桟橋、鋼管矢板施工打合せにも3DCADを利用し、施工手順の確認や問題点の抽出など事前の密な施工打合せにより、施工イメージを全員で共有することが出来ました。

【フロートによる足場の確保】

【支持杭間隔に合わせ製作した足場】

【航路(昼間)】

【航路(夜間-桟橋・鋼管井筒基礎同期点滅灯設置)】

【3DCADによる施工シュミレーションと実際の施工状況】

鋼管矢板井筒基礎の品質確保

今回施工する鋼管矢板基礎は中掘り杭工法を採用しており、鋼管矢板内にオーガスクリューを挿入し、これにより地盤を掘削しながら鋼管矢板を圧入し所定深度まで沈設します。支持層の確認は中掘り工法ではオーガモーターの駆動電流値を電流計で連続的に測定・記録し、オーガモータの負荷を地盤の掘削抵抗と関連付けて評価します。評価方法としてボーリング(地盤調査)位置に近い杭を試験杭として施工し、得られたデータ(電流値や土質状態)と比較して支持層への到達を確認します。
当現場では施工後すぐに電流値データと試験杭データが比較できるように電流値を記録したチャート紙を現場へ掲示しました。これにより支持層到達の評価を施工者、発注者双方で適時可能としました。また杭先端部の採取土砂とコア写真を比較し、支持層の土質と一致していることも合わせて確認し、信頼度の高い評価とすることが出来ました。

【現場へのデータ掲示】

【ボーリング柱状図とコア写真】

【電流計記録チャート紙】

【杭先端土砂採取(コア写真と比較)】

橋脚躯体工の施工に向けて

鋼管矢板井筒基礎が完了し、今後は橋脚本体部分の施工となります。基礎同様、高品質で長寿命のコンクリート構造物築造が求められています。作業所一体となって信頼できる製品つくりを行い、地元の方や顧客の満足を十分に達成されるよう取り組んでいきます。

【協力業者の方といっしょに】